ナツキちゃん、おやすみ
10月22日。ナツキちゃんが亡くなりました。

ナツキの体調に異変が出たのは、たまちゃんがFIPとわかる数日前。今月初旬頃だ。
台所の狭い棚の中に潜んで、一日中出て来ない日があった。
ご飯を持って行っても食べず、憎々しい目でこちらを睨んでいた。
誰かに八つ当たりでもされて、不覚にも負けちゃったのか?
いや、違う。ナツキは仲の良い猫が居なかったけど、仲の悪い猫も居なかった。
他の猫と絶妙な距離を取れる子で、ケンカをすることも、巻き込まれることも一切なかった。

かといって、猫キライでもなく、でも誰かとくっついて寝る事もなかった。
そんなナツキなので、誰かにチョッカイかけられる筈はないし、引きこもる理由にならない。
間違いなく、体調に異変があるんだ。
触られるのを極端にイヤがる子だけど、奮起一発、洗濯ネットに入れてキャリーイン!
予想に反してすんなりキャリーイン出来たのは、大分しんどかったからだろう。
血液検査の結果は、まさかの問題なし。腎臓も肝臓も正常値、血糖値だけが少し高いぐらい。
念のため一泊して様子見しても、異変もなく出されたご飯は完食。
たまちゃんを退院させた翌日に、ナツキも退院。
たまちゃんの看取りに備えて見守りながら、ナツキちゃんの様子を注意深く観る。
やっぱりオカシイ。ナツキは、私のそばを通り台所へ。その時、私の足を踏んで行った。
こないだ引きこもった棚へ入ろうとするので、寛げるよう整えて誘うも、棚の前でジッとして戸惑った表情。
床からナツキが入りたい棚への段差は、とても低い。なのに、上がれないのか?
歩く様子は若干腰が落ちてるものの、足取りは普通。
でもずっと洗面所と台所の間をウロウロしている。どうみてもオカシイ…。
ナツキちゃんが気になりつつ、たまちゃんのそばへ。
そうこうしている内に、たまちゃんは旅立った。
ひとしきり泣いて感情を爆発させ、雑事を淡々と済ます。 あ。なっちゃん、どうしてる?
猫数の少ない部屋に置いている、小さな段ボールの中で、ナツキは静かにしていた。
呼びかけると、軽く一睨み。触ると嫌がるけど、威嚇せず。調子に乗って、肩甲骨付近から背中を優しく撫でる。
意外にも撫でさせてくれた。 撫でられると気持ち良いとわかってくれるかな?
日曜の晩ご飯前、小部屋から出て来たナツキが、リビングへ。
!! 正常に歩けていない。フラフラと左右に大きく揺れ、前に進もうとしているけど物にぶつかっている。
すぐ横に居たブランちゃんがビックリして「ちょ、ナツどうしたん?」と思わず知らず手でサポートする。
倒れてしまったナツキが頭だけ上げて「アタシ、どないなったん?立たれへん」と訴えた顔で私を見た。
そばにあったキャリーにサポートしながら移動させる。戸惑った表情のナツキの瞳は、揺れていない。
瞳孔も通常な様子。 平衡感覚だけ異常が出たのか? しまった〜動画で撮影しとけば良かった。
とは言え、こーゆー場面に遭遇すると、撮影よりも手当だよなぁ。
しばらくすると落ち着いたようで、また箱の中へ。ご飯を目の前に置くと少しだけ食べてくれた。
日曜の夜はそのまま休み、翌日の月曜も大人しく小部屋で過ごしていて、ご飯もお水も少ないながらも口に入れていた。
なっちゃん、どないや?

とてもしんどそうなナツキ。お腹あたりは普通の呼吸なのに、喉周辺だけ小刻みな早い呼吸。
撫でてみると気持ち良さそうにされるがまま。 それとも、しんどくて抵抗出来ないだけか?
しばらく撫でるも、舌をペロペロし出したので、ナデナデ終了。
おやすみ、明日病院行こうな。
一日置きに通院しているターフちゃんと一緒に病院へ。今回もあっけなくキャリーイン。
病院に着きキャリーから出そうとした時点で、全身が脱力していた。
慌ただしくなる診察台。 結果、遺伝の脳症とわかった。発作を抑える治療が開始。
入院・治療しながら今後の相談。全身の脱力はそのままだけど、またしてもご飯はしっかり食べ、威嚇もする。
目もしっかりしていて、力がある。 この様子なら退院しても大丈夫でしょうとのこと、23日に退院することに決定。
「夜、一度診に来ますが、夜間、人の居ない間にもし発作が起こって、もしもの事があったら、ゴメンなさいね」
獣医さんが現状を報告がてら、そうおっしゃったのは、22日の夕方だった。
それから2時間後。ナツキは発作を起こし、容態急変、手当の甲斐なく心肺停止に。
「ご主人の携帯に電話したんですが留守電で」と獣医さんから連絡が入り、仕事中やけどバイクで病院へ急行。
この時間帯、旦那さんは掃除機をかけている。 私も携帯と自宅の電話を鳴らしてみるも留守。
チ!! 有事の際に出んなんて何してんねん! 掃除機かけてんやん!!と、1人ツッコミ。
冷静に、冷静に。事故起こしたら、どんならん。
病院に到着、すでに診察時間はとうに過ぎ、お客さんは居ない。
獣医さん達とスタッフさん達が出迎えてくれ、ナツキちゃんは既にエンジェルケアが済んでいた。

ナツキは静かに横たわっていて、とても綺麗だった。 柔らかく温かい体。
不妊手術が済んだ直後の猫のように、寝ているだけやナイの?
遺伝性の脳症。じゃあ、ナツキと同じ家で産まれ育った猫達みんなが、こうなる可能性があるの…?
ココん家の猫達は、兄妹猫から増えている。血が濃い血統だ。
既にてんかん発作を繰り返しているネネ、ナツキ・ネネより先に引き上げたヨキ・ムギも
里子に出たイチコとニキ、ミキとサツキも、ある日いきなり脳症が発症して、フラフラして歩けなくなって亡くなるの?
そんなコト、今考える事やナイ。帰らなー。
病院のみなさんにお礼を言うだけで精一杯の私。あ。財布持って来てなかった。
かまへんや、明日旦那さんに支払いに行かせよう。えらいスンマヘン。
バイクの足元になっちゃんが入った箱を置き、慎重に走る。
病院を出てすぐの角を曲がった途端に、堪えきれなくなった。
け、かまへんわ夜やもん。ヘルメット冠ってるし、泣いてたって見えへんわ。
泣いたったわ!
職場に戻って仕事再開。って、もう閉店時間。
旦那さんが迎えに来て「何、その箱? 誰?」 携帯見てへんのかい!!!
一発ケリを入れて説明。ショックを受ける旦那さん。そらそや。夕方まで元気やってんから…。
家に戻る前に、スーパーに寄ってお花を購入。
みんな、ただいま〜。なっちゃんも一緒やで…。

不思議そうに箱に寄って来る猫達。

もう温かさはなく、体は固くなり始めていた。

なっちゃん、ナツキ。撫でさせてや。

こないだ撫でた時、どない思った? イヤやったか?気持ち良かったか?
イヤやったかも知れんけど、気持ち良かったかも知れん。
どっちゃでもかまへんわ。お母ちゃんの気持ちだけは、伝わったやろ?それで充分や。
動物は、生き方や死に方、死ぬ時期を無意識で選んでいるそうな。
寿命は産まれ持った魂が決めていて、亡くなる前は愛に包まれ感謝しているそうな。
そう言うてくれはった人が居てて、あぁそうだったら良いな。そうであって欲しいなと思った。
なっちゃんは看取って欲しくはなかったんかな。看取ってくれんでも全然かまへんかったんかな。
看取ってくれる人が居なくても、受けた愛情や感謝を反芻しながら旅立てるならえぇなあと、私は思う。
なっちゃんが、そうであってくれますように。
人慣れしてなくても、人を怖がることはなくなり、我が家で快適に過ごしていたナツキちゃん。
素直に甘えて撫でてもらえる時間を持てなくて、本当にゴメンやで。
たまちゃんがホン先に歩いてるから、一緒に付いて行きよしよ。

ナツキの体調に異変が出たのは、たまちゃんがFIPとわかる数日前。今月初旬頃だ。
台所の狭い棚の中に潜んで、一日中出て来ない日があった。
ご飯を持って行っても食べず、憎々しい目でこちらを睨んでいた。
誰かに八つ当たりでもされて、不覚にも負けちゃったのか?
いや、違う。ナツキは仲の良い猫が居なかったけど、仲の悪い猫も居なかった。
他の猫と絶妙な距離を取れる子で、ケンカをすることも、巻き込まれることも一切なかった。

かといって、猫キライでもなく、でも誰かとくっついて寝る事もなかった。
そんなナツキなので、誰かにチョッカイかけられる筈はないし、引きこもる理由にならない。
間違いなく、体調に異変があるんだ。
触られるのを極端にイヤがる子だけど、奮起一発、洗濯ネットに入れてキャリーイン!
予想に反してすんなりキャリーイン出来たのは、大分しんどかったからだろう。
血液検査の結果は、まさかの問題なし。腎臓も肝臓も正常値、血糖値だけが少し高いぐらい。
念のため一泊して様子見しても、異変もなく出されたご飯は完食。
たまちゃんを退院させた翌日に、ナツキも退院。
たまちゃんの看取りに備えて見守りながら、ナツキちゃんの様子を注意深く観る。
やっぱりオカシイ。ナツキは、私のそばを通り台所へ。その時、私の足を踏んで行った。
こないだ引きこもった棚へ入ろうとするので、寛げるよう整えて誘うも、棚の前でジッとして戸惑った表情。
床からナツキが入りたい棚への段差は、とても低い。なのに、上がれないのか?
歩く様子は若干腰が落ちてるものの、足取りは普通。
でもずっと洗面所と台所の間をウロウロしている。どうみてもオカシイ…。
ナツキちゃんが気になりつつ、たまちゃんのそばへ。
そうこうしている内に、たまちゃんは旅立った。
ひとしきり泣いて感情を爆発させ、雑事を淡々と済ます。 あ。なっちゃん、どうしてる?
猫数の少ない部屋に置いている、小さな段ボールの中で、ナツキは静かにしていた。
呼びかけると、軽く一睨み。触ると嫌がるけど、威嚇せず。調子に乗って、肩甲骨付近から背中を優しく撫でる。
意外にも撫でさせてくれた。 撫でられると気持ち良いとわかってくれるかな?
日曜の晩ご飯前、小部屋から出て来たナツキが、リビングへ。
!! 正常に歩けていない。フラフラと左右に大きく揺れ、前に進もうとしているけど物にぶつかっている。
すぐ横に居たブランちゃんがビックリして「ちょ、ナツどうしたん?」と思わず知らず手でサポートする。
倒れてしまったナツキが頭だけ上げて「アタシ、どないなったん?立たれへん」と訴えた顔で私を見た。
そばにあったキャリーにサポートしながら移動させる。戸惑った表情のナツキの瞳は、揺れていない。
瞳孔も通常な様子。 平衡感覚だけ異常が出たのか? しまった〜動画で撮影しとけば良かった。
とは言え、こーゆー場面に遭遇すると、撮影よりも手当だよなぁ。
しばらくすると落ち着いたようで、また箱の中へ。ご飯を目の前に置くと少しだけ食べてくれた。
日曜の夜はそのまま休み、翌日の月曜も大人しく小部屋で過ごしていて、ご飯もお水も少ないながらも口に入れていた。
なっちゃん、どないや?

とてもしんどそうなナツキ。お腹あたりは普通の呼吸なのに、喉周辺だけ小刻みな早い呼吸。
撫でてみると気持ち良さそうにされるがまま。 それとも、しんどくて抵抗出来ないだけか?
しばらく撫でるも、舌をペロペロし出したので、ナデナデ終了。
おやすみ、明日病院行こうな。
一日置きに通院しているターフちゃんと一緒に病院へ。今回もあっけなくキャリーイン。
病院に着きキャリーから出そうとした時点で、全身が脱力していた。
慌ただしくなる診察台。 結果、遺伝の脳症とわかった。発作を抑える治療が開始。
入院・治療しながら今後の相談。全身の脱力はそのままだけど、またしてもご飯はしっかり食べ、威嚇もする。
目もしっかりしていて、力がある。 この様子なら退院しても大丈夫でしょうとのこと、23日に退院することに決定。
「夜、一度診に来ますが、夜間、人の居ない間にもし発作が起こって、もしもの事があったら、ゴメンなさいね」
獣医さんが現状を報告がてら、そうおっしゃったのは、22日の夕方だった。
それから2時間後。ナツキは発作を起こし、容態急変、手当の甲斐なく心肺停止に。
「ご主人の携帯に電話したんですが留守電で」と獣医さんから連絡が入り、仕事中やけどバイクで病院へ急行。
この時間帯、旦那さんは掃除機をかけている。 私も携帯と自宅の電話を鳴らしてみるも留守。
チ!! 有事の際に出んなんて何してんねん! 掃除機かけてんやん!!と、1人ツッコミ。
冷静に、冷静に。事故起こしたら、どんならん。
病院に到着、すでに診察時間はとうに過ぎ、お客さんは居ない。
獣医さん達とスタッフさん達が出迎えてくれ、ナツキちゃんは既にエンジェルケアが済んでいた。

ナツキは静かに横たわっていて、とても綺麗だった。 柔らかく温かい体。
不妊手術が済んだ直後の猫のように、寝ているだけやナイの?
遺伝性の脳症。じゃあ、ナツキと同じ家で産まれ育った猫達みんなが、こうなる可能性があるの…?
ココん家の猫達は、兄妹猫から増えている。血が濃い血統だ。
既にてんかん発作を繰り返しているネネ、ナツキ・ネネより先に引き上げたヨキ・ムギも
里子に出たイチコとニキ、ミキとサツキも、ある日いきなり脳症が発症して、フラフラして歩けなくなって亡くなるの?
そんなコト、今考える事やナイ。帰らなー。
病院のみなさんにお礼を言うだけで精一杯の私。あ。財布持って来てなかった。
かまへんや、明日旦那さんに支払いに行かせよう。えらいスンマヘン。
バイクの足元になっちゃんが入った箱を置き、慎重に走る。
病院を出てすぐの角を曲がった途端に、堪えきれなくなった。
け、かまへんわ夜やもん。ヘルメット冠ってるし、泣いてたって見えへんわ。
泣いたったわ!
職場に戻って仕事再開。って、もう閉店時間。
旦那さんが迎えに来て「何、その箱? 誰?」 携帯見てへんのかい!!!
一発ケリを入れて説明。ショックを受ける旦那さん。そらそや。夕方まで元気やってんから…。
家に戻る前に、スーパーに寄ってお花を購入。
みんな、ただいま〜。なっちゃんも一緒やで…。

不思議そうに箱に寄って来る猫達。

もう温かさはなく、体は固くなり始めていた。

なっちゃん、ナツキ。撫でさせてや。

こないだ撫でた時、どない思った? イヤやったか?気持ち良かったか?
イヤやったかも知れんけど、気持ち良かったかも知れん。
どっちゃでもかまへんわ。お母ちゃんの気持ちだけは、伝わったやろ?それで充分や。
動物は、生き方や死に方、死ぬ時期を無意識で選んでいるそうな。
寿命は産まれ持った魂が決めていて、亡くなる前は愛に包まれ感謝しているそうな。
そう言うてくれはった人が居てて、あぁそうだったら良いな。そうであって欲しいなと思った。
なっちゃんは看取って欲しくはなかったんかな。看取ってくれんでも全然かまへんかったんかな。
看取ってくれる人が居なくても、受けた愛情や感謝を反芻しながら旅立てるならえぇなあと、私は思う。
なっちゃんが、そうであってくれますように。
人慣れしてなくても、人を怖がることはなくなり、我が家で快適に過ごしていたナツキちゃん。
素直に甘えて撫でてもらえる時間を持てなくて、本当にゴメンやで。
たまちゃんがホン先に歩いてるから、一緒に付いて行きよしよ。